特別教室での授業実践(5)
@LL的使用法
1. 教科書のカセット・CDを学生に配信
2. 各自が発音練習
3. 最終的に録音、提出させる。
利点: 既存の教科書が使える。
各自のペースに合わせて練習できる。
(音声データを)メールやメモリを使用して持ち運べる。
問題点:従来のLLと同じ。
評価は教師の耳。
AAV機器の使用(視聴覚教室的使用)
1. DVDを視聴
DVDは映画ではなく、短いものを使用。
ディクテーションをする。
2. 教科書・黒板代わりに使用。
利点:黒板の見え方による不利益が生じない。
教科書のどこを読んでいるかわかりやすい。
Dictadoは学生の集中力が続く。達成感も。
欠点:普通の教室でもできる。
3. インターネットの使用
利点:教科書がなくてもよい。
世界の最新情報を教材にできる。
新聞など比較できる。(メディアリテラシー)
ネットの検索能力を身に付けられる。
欠点:興味ない学生はネットで遊びだす。
予習があまりできない。
大阪大学サイバーメディアセンターの報告から
(サイバーメディア・フォーラム No.1 〜 No.7)より
・早くからの取り組み:2000年4月からCALL使用
・主に英語、フランス語、ドイツ語での使用
・毎年報告書を作成(教員、TA、学生の声)
教員の共通した見解
@利用法
1) 従来の教材を使用し、CALLを活用
ネット新聞記事、パワーポイントでの発表、リスニングと発音練習、
配布プリント代わり
2) CALLに対応したマルチメディア教材使用
市販教材と自作教材(掲示板システム)
A利点
出席が瞬時に取れる
各自が練習問題を解き、すぐに自分で採点できる。
教科書を持ってこなくてもよい。
個別の質問に対応できる。
学内でいつでも復習できる。
世界の最新情報に触れられる。
黒板よりも見やすい。
コンピュータの技能も習得できる。
楽しい。(期待)
ヘッドホンで発音時の恥ずかしさ軽減←→通常クラスの方が声大きい
大人数教室で威力発揮。
B欠点
教師と学生の距離(出席や挨拶ぐらい人間同士で)。
教師の役割?(教師も学生も機器と向き合う)
教科書と黒板でいいのでは?
学生がネットで遊びだす。
機器のトラブル→時間の無駄。
学生間の機器使用の経験の差。
どこでもアクセス→CALL教室の存在意義。
画面切り替え早く付いていけない。(黒板代わりの使用)
Cその他印象、改善策、今後の展望など
通常クラスとCALLとの差はあまりない。(賛否両論)
肯定論→コミュニケーション中心の活動でも文法クラスと同等の効果。
否定論→人間関係の希薄化、注意力散漫。
教師の負担は通常クラス以上に大きい。
学生、教員の機器操作は向上。
TAおよび管理者のサポートが重要。 (柿原 武史)